ロボット手術について

手術支援ロボットによる手術について

当科で行うロボット支援手術とは、腹腔鏡手術をda Vinci(ダ・ヴィンチ)という最先端の手術支援ロボットを用いて行う手術のことです。

ロボット支援下手術は、以下のような今までの腹腔鏡手術の利点をさらに向上させることができると考えられています。

  1. 腹腔鏡手術より、複雑で細やかな手術手技が可能(手振れがない)
  2. 次元による正確な画像情報を取得できるため、より安全かつ侵襲(しんしゅう)の少ない手術が可能

次世代の医療改革の一端を担った分野と考えられています。

この手術支援ロボットは、欧米を中心にすでに医療用具として認可され、1997年より臨床応用されており、2018年12月までに世界で約5400台が稼働しています。
わが国では2009年11月に本機器が厚生労働省により薬事承認(やくじしょうにん)され、550台以上(2023年1月現在)が稼動しています。

腹腔鏡手術とロボット支援下手術の違い

腹腔鏡手術と同じ大きさの傷で手術を行うことができ、手術から退院までの経過も腹腔鏡手術と同じです。
また、術後合併症である膵液瘻の発生率が従来の腹腔鏡手術と比較して少し低いことが臨床試験において示されています。

東京科学大学におけるロボット手術

東京科学大学には最新式のda Vinci(ダ・ヴィンチ) Xiが導入され、2021年には2台目のda VinciXが導入されました。消化管外科では、胃がん、大腸がんを中心に積極的にロボット手術を行っています。

実績

大腸・肛門外科診療科長の絹笠

前任地の静岡県立静岡がんセンターにて、500を超える直腸がんに対するロボット手術を施行。 現在チームとして1200例の実績を積み、その治療成績は国内外から高い評価を頂いております。
また、ロボット直腸がん手術指導医認定(プロクター)を米国のインテューティブ・サージカル社から国内で初めて認定されており、国内最多の実績とともに、多くの国内外の外科医や大学病院・センター病院に対して、ロボット手術の指導を行っております。

胃外科診療科長の徳永

前任地の静岡県立静岡がんセンター、国立がん研究センター東病院で、100を超える胃がんに対するロボット手術を施行しました。
現在もプロクターとして、国内の施設でロボット手術の指導をおこなっています。